ここでは、CIDAS システムのフロントエンド scfront2021 にログインした後、 IDL 、 SPEDAS 、 または SSW を起動するまでの手順を簡単に説明します。
フロントエンド scfront2021 へのログインの方法については、ログインマニュアルを参照してください。
フロントエンド scfront2021 にログインした端末で、以下のコマンドを実行します。
$ qlogin -X -q IDL
ここで IDL の実行キューを割り当てられるまでしばらく待ちます。同時に実行できる IDL キューはユーザーにつき1つで、かつキュー数全体に上限があるので、もし既に上限に達していると IDL を使用できません。
もしキューに空きがあると実行キューが割り当てられ、以下のように IDL を実行できるプロンプトが現れます。
(base) [cNNNNxxxx@scfront2021 ~]$ qlogin -X -q IDL Request 322.nqsv submitted to queue: IDL. Waiting for 322.nqsv to start. (base) [cNNNNxxxx@node09 ~]$
なお、 IDLキュー を使用し終わったら速やかに IDL を終了し、さらにIDLノードからもログアウトしてください。 ログインしたまま放置すると IDL キューを占有したままの状態になってしまい、キューが空くのを待っている他のユーザーが利用することが出来ません。
以下のコマンドで必要な環境変数を設定後、IDLを起動します。
$ source /usr/local/harris/idl88/bin/idl_setup.bash $ idl
以下のように表示されれば成功です。IDLが起動出来ました。
(base) [cNNNNxxxx@node09 ~]$ source /usr/local/harris/idl88/bin/idl_setup.bash (base) [cNNNNxxxx@node09 ~]$ idl IDL 8.8.0 (linux x86_64 m64). (c) 2020, Harris Geospatial Solutions, Inc. Licensed for use by: Nagoya University - Masuda License: MNT-5501431 IDL>
以下のコマンドでIDLおよびSPEDASに必要な環境変数を設定後、IDLを起動します。
$ source /usr/local/harris/idl88/bin/idl_setup.bash $ source /lustre/sc/spedas/setup.sh $ idl
CIDASシステム上では、最新のSPEDAS/ERG Plugin環境がご利用になれます。
SPEDASおよび各種プラグインの詳細については以下のサイト等を御覧ください。
https://ergsc.isee.nagoya-u.ac.jp/analysis/spedas/index.shtml.ja
以下のコマンドでSolarSoftを起動します。
$ SSWidl
コマンドが見つからない場合 (command not found
などのエラーが返される) 場合は、シェルの環境変数 PATH
に /opt/ssw
が含まれているかご確認ください。
CIDASシステムでは以下の太陽観測データをユーザに開放しています。
データの詳細や利用規約に関しては各観測機器のページなどを参照してください。
観測装置・衛星 | CIDASシステム上のディレクトリ |
---|---|
Hinode | /cidas/hsc/hsc-nagoya/darts |
Nobeyama | /cidas/hsc/hsc-nagoya/ndata2/nobeyama |
RHESSI | /cidas/hsc/hsc-nagoya/ndata2/rhessi |
SolarSoftの詳細については以下のサイト等を御覧ください。
IDL キューは各ユーザーID で同時に 1 つしか実行できません。
またキューには制限時間が設定されており、デフォルトはキュー実行開始から 12 時間となっています。
それを過ぎると自動的に IDL 等が停止しキューが終了してしまいますのでご注意下さい。
また何らかの原因で、お手元の PC から scfront2021 までのネットワーク接続が切断した場合も、自動的にキューが終了します。
scfront2021 への接続が中断した際に実行中の IDL キューがゾンビプロセスとして残ってしまい、再度 qlogin
を実行した時にユーザー毎のキュー数の制限に引っかかって新たな IDL キューを実行できなくなる、という不具合がまれに発生するということが報告されています。
その場合、scfront2021 上で qstat
および qdel
コマンドを使うことで、該当する IDL キューを特定して強制停止させることで、新たな IDL キューを実行することができるようになります。
CIDASシステムには対話的でないIDLプログラムを利用するため、バッチジョブ専用のIDLbatchというノードも存在します。
ここでは、簡単にIDLbatchノードの利用例を示します。以下の操作はIDLノード上ではなくscfront2021上で行うことに注意してください。
まず、以下のようなシェルスクリプト test_idlbatch.sh
とIDLスクリプト test_idlbatch.pro
を作成します。
IDLスクリプトの末尾に exit
が無いと、命令を待ち続けてジョブが終了しないのでご注意ください。
$ cat test_idlbatch.sh #!/bin/bash #PBS -q IDLbatch #PBS -b 1 cd $PBS_O_WORKDIR source /usr/local/harris/idl88/bin/idl_setup.bash $IDL_DIR/bin/idl test_idlbatch.pro
$ cat test_idlbatch.pro print,'Hello IDLbatch!' exit
2つのファイルが両方存在するディレクトリに移動し、scfront2021上で qsub
コマンドを実行してバッチジョブを投入します。
$ ls test_idlbatch.sh test_idlbatch.pro $ qsub test_idlbatch.sh Request 325.nqsv submitted to queue: IDLbatch.
投入したバッチジョブの状態は qstat
コマンドで確認することが出来ます。
$ qstat RequestID ReqName UserName Queue Pri STT S Memory CPU Elapse R H M Jobs --------------- -------- -------- -------- ---- --- - -------- -------- -------- - - - ---- 325.nqsv test_idl cNNNNxxx IDLbatch 0 RUN - 0.00B 0.00 1 Y Y Y 1
バッチジョブの終了後、以下のようなファイルが qsub
コマンドを実行したディレクトリに生成されます。ファイル末尾の.o325や.e325の数字はジョブのIDに対応します。
$ ls test_idlbatch.pro test_idlbatch.sh test_idlbatch.sh.o325 # バッチジョブからの標準出力 test_idlbatch.sh.e325 # バッチジョブからの標準エラー出力
標準出力に Hello IDLbatch! と表示されていれば成功です。
$ cat test_idlbatch.sh.o325 Hello IDLbatch!
その他、ジョブ管理システムの細かい利用方法は、 計算機ノードの利用方法 を参照ください。